保険会社で働く技術アジャスターってどんな仕事?資格は?給料は?さまざまな疑問を現役技術アジャスターがざっくりお答えします!
技術アジャスターとは
このように定義されています。
一言で表現すると「自動車事故対応のスペシャリスト」です!
技術アジャスターに向いている人
主観になりますが、アジャスターに向いている人をあげてみました。
- 「自動車」が好きな人
- 日々勉強に取り組む自信のある人
- 溜め込まずに頑張れる人(気持ちの切り替えができる人)
- 自動車関連で仕事の経験があり、年収をアップしたい人
- コミュニケーション能力を向上させたい人
いくつかピックアップしてみます。
自動車が好きな人
これは大前提です!技術アジャスターは「自動車事故対応のスペシャリスト」と表現しましたが、同時に「自動車のスペシャリスト」である必要があります。
刻一刻と変化する技術に追い縋っていく必要があるので、自動車に興味がない方は技術アジャスターに不向きです。
溜め込まない人
技術アジャスターだけに関わる話ではないですが、事故対応をするということは、契約者やその相手方と話をする機会がたくさんあります。
円満な事故解決がベストですが、なかなかそうもいかないこともあります。場合によっては汚い言葉を投げつけられたり、理不尽なことを言われることもあります。
どんな仕事でもこのようなことはありますが、事故で通常の感情でない人と話をする仕事なので精神的なストレスがかかりやすい仕事です。仕事は仕事、プライベートには持ち込まない、くらいの気持ちの切り替えができる方が向いていると思います。
具体的な仕事内容は?資格は必要?
業務内容
技術アジャスターの業務内容は別の記事で詳しく解説してますので、詳しく知りたい方はご覧ください!
- 事故車両の損害状況確認(車のどこまで損害が及んでいるかを確認する)
- 事故現場調査
- 事故車両修理内容の打合せ、金額協定1
- 示談交渉(交通事故の解決および保険金の支払いを案内すること)
- その他、裁判の際には弁護士と協力し意見書の提出をすることも!
このように技術アジャスターの仕事は車に関する知識だけでなく、法規に関する知識や対人とのコミュニケーション能力も必要になります。
- 協定とは協議して決めることです。アジャスターの場合、修理工場と最終的な修理金額を決めることを言います。
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資格
技術アジャスターは専門資格である、技術アジャスター資格を取得する必要があります。
この資格は日本損害保険協会が主催している専門資格でランクに応じて次のような種類があります。
- 見習アジャスター
- 初級アジャスター
- 3級アジャスター
- 2級アジャスター
- 特殊アジャスター
見習アジャスター資格はアジャスターにとって最初に取得する資格です。合格後、初級、3級、2級資格へとステップアップしていきます。
※現時点(2024年5月)では2級資格が最高ランクの資格であり、階段方式で取得していく必要があります。
特殊アジャスターは特殊車両に関する知識を証明できる資格です。
資格に関する詳しい内容はこれから記事を更新していきますので少々お待ちください!
技術アジャスターの給料、福利厚生
給与面
いくつかの損害保険会社の募集要項にある給与面を比べてみましょう。
- 東京海上日動社 : 月給203,750円~249,220円
- 三井住友海上社 : 【グローバル型】月給28万1700円以上、【エリア型】月給24万2500円以上
- 損害保険ジャパン社 : 月給279,880円以上
- あいおいニッセイ社 : 月給247,800円以上
- 共栄火災社 : 月給22万600円以上
- 日新火災社 : 月給229,000円以上
有資格者や経験者
経験者の方は、上記金額よりも高い月給を得られる可能性があります。特にアジャスター資格保有者は別途手当がつくこともあり、上位資格を取得できれば20代でも年収500万円以上を狙うことも可能です!
福利厚生
保険会社は一般的な企業に比べて福利厚生が優れている傾向があります。
私自身、福利厚生の恩恵を1番感じているのは住居手当(借上社宅制度)です。
いくつかの条件下ではありますが、アパートを借上げ社宅として会社に契約してもらい、社宅使用料としておおよそ1〜2万円で住むことができています。
また会社によっては持ち家にも手当が支払いされる制度があるなど非常に手厚いです。※各損保会社によって異なります
未経験でも技術アジャスターを目指せる?
技術アジャスターは新卒や中途、未経験の方の採用も行っています。
ほぼ全員が保険会社へ入社してからアジャスター資格を取得します。初めのうちは見習資格の取得に向けた研修や座学からスタートするため未経験の方でも少しずつ学習していくことができます。
応募にはいくつか条件があり、よく定義されている条件をピックアップしてみました。
- 高卒以上(企業によっては専門もしくは短大以上)
- 普通自動車免許を保有していること
- 自動車整備に関する知識を持っている方、理工学分野を卒業もしくは卒業見込みの方
その他保険会社によって募集要件が少し異なりますので、気になる企業はチェックしてみてください。
転勤について
ご存知の方も多いと思いますが、保険会社は転勤制度を採用していることが多いです。
そして結論から言うとアジャスターにも転勤があります。※一部転勤が無い方式での採用をしているところもあります。
もちろん当人の希望勤務地の主張はできますが、最終的に希望通りになるかは不明確です。
東京海上日動社では2026年より転勤制度について撤廃する案が出ていると一部報道されていました。あわせてご覧ください。
技術アジャスターの良いところと大変なところ
ここからはアジャスター経験者の主観で、ざっくりまとめてみました。
○良いところ
- たくさんの車を見ることができる(軽乗用車から外国スーパーカー、トラック等)
- 車に関する知識だけでなく、賠償論、民法など多くの知見を広げられる
- 給与の上がり幅は大きい
- 保険会社の福利厚生を受けることができる
- 全国の色々なところに住むことができる
○大変なところ
- 転勤が多い
- 新しい技術情報や資格など日々勉強する必要がある
- 人手不足による多忙、残業
- ストレスがかかりやすい仕事であること
- 資格に受からないと給料が上がりにくい
まとめ
いかがでしたか?技術アジャスターについてまとめてみました。
必要なスキルが多く、業務はスピードと正確性が鍵になる仕事です。非常に大変ではありますが、身についた知識は確実に自分自身の成長につながり、困っている人を助けられる仕事です。
少しでもこの記事をきっかけにご興味を持っていただけると幸いです。ご質問は随時受付しております!最後までご覧いただきありがとうございました。
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